その階段を降りると
まだ外は黄昏でした

わずかな光を拾い集めて
この街の呼吸のようなものを
感じようとしました

光を拾い集めれば
集めるほど
切なくなって
思わず
泣きたくなりました

振り返れば
そこには闇が広がっていて
一体私は何を捕まえようとしていたのか
嘆息しました

それでもカメラは
ひとりでに光を拾い続け
見えないものまで
見せてしまうのでした

見えないものを見たくて
こんな技術が発展したことを
文明の利器と呼ぶのでしょう

けれども
見たいものが見たくて
見たくないものは見たくない私もいます

ほしいものがほしい
我侭ですか?
ほしいものがほしいは……