どうしても睡蓮の写真が撮りたくて
夕方いそいそとサンモリッツに出掛けました。
そろそろ朽ちた色を醸し出している頃でしょう。
ワクワクして車を降りると
恐ろしいほどの音を立て風が舞い、
目を開けていると痛いぐらいでした。

それでも地面にへばりつくようにして
撮影をしてみました。

あんまり水面が波立つものですから
なかなかうまく撮れません。
でも撮りたかったので粘ります。

風にあおられた睡蓮の葉が反り返って震えています。
そのまま茎からもぎ取られる葉もありました。
もぎ取られた葉の多くは裏返しになって
ちりぢりになって
そこら中に浮かんでいたのです。

その人たちは
一頭最初に赤くなって黄色くなって紫になって
小さな気泡を身にまといながら
水の方へ水の方へと
身を沈めていたのです。

また睡蓮を撮りに行こうと思います。