$ 0 0 目覚めれば 霧の朝 まだ夏の気を帯びた 陽光が容赦なく大地を あたため 霧は瞬く間に消えた それでもそこには秋の気配 稜線を這うように流れる雲が 細くなっている 夜の間に秋を乞う虫たちが 秋乞いの歌を捧げている ビロードの襞で 秋をまといに行こう 真っ赤に仕立てた 蜻蛉の細い腰が 山から下りてきた