$ 0 0 雪待ちの空は 魚の腹の色で 粒状の何かしらが 鱗になって ザワザワと 蠢いている あんなに雲の底は 暗いのに サンゴの授精のような 白く灰色のかがやきを 30?先の 山頂に見ることができる ああ それは気配というものだよ ゴムがちびた杖を大地に刺しながら カタカタ老婆が笑う 今朝方うすら雪が積もったがね あんた寝てたでしょ その後は雨だった 図星だね 雪待ち顔の気配が 漂っている