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Channel: ヒヨちゃんが行く!
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古書 双六

三行前を忘れて 振り出しに戻る 読書という名の 上がりのない双六 だれかの うたた寝の 夢まで染み ついた古書 たちの 三行前を忘れて もうあと戻りが 面倒になった マーカーをたどる 上がりたいばかりの 双六

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祈る水

森を映し 空を映し 榾(ほたぎ)を眠らせ 祈る水 やがて凍てつき この年を 春まで抱いて クリスタル 眠る   

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冬の西日

山際すれすれの光が 影を際立たせ ため息のような吐息にも 影を作る 私の背丈には もう届かなくなった冬の西日の まだ空とビルの窓を染め 嗚呼 どうしようもなく その消息が 知りたくて この黄昏れた町を 走り出す 行き先も 見えなくなった 残照の この空の下を     

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賀状

そういうシーズンが来たと コンビニのレジ横の 賀状の種種様々 赤いバイクの郵便局員が 「今日の分売れた?」 と言い合って 釣瓶落しの町を すれ違っていく 来年の干支が ふいにわからなくなった 自分に驚きながら 正月が来ることを まだ 漠とであるが 感じてみる

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海老

海老が背を丸めるのは 自分を守る時だけ だというのに 曲がった身体を 海老だと思う 吾の悲しき

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あらばしり

田起し 田植え 草取り 収穫と 脱穀に 醸造の 新走の 一年を 凝縮し 銀の杯 ゆらり ゆらり 闇灯す  

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ゆりかご

星のかけらの 子守唄 かなりあになって 囀りましょう この星で 恋しいあの娘は 今どこに ゆりかご揺れて あまのがわ     

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馬という字の いななけぬ 夜の深きや 掠れ筆 今年こそ、年賀状を早く出したい 困った私

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うすら

雪待ちの空は 魚の腹の色で 粒状の何かしらが 鱗になって ザワザワと 蠢いている あんなに雲の底は 暗いのに サンゴの授精のような 白く灰色のかがやきを 30?先の 山頂に見ることができる ああ それは気配というものだよ ゴムがちびた杖を大地に刺しながら カタカタ老婆が笑う 今朝方うすら雪が積もったがね あんた寝てたでしょ その後は雨だった 図星だね 雪待ち顔の気配が 漂っている  

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榾火(ほたび)

マッチを擦って 堅めに絞った新聞に火をつける 松や杉の葉を集めた上に薪を延べ それをそっと差し込む 頃合いを見計らって 優しく団扇で火をあおる 焰は赤や朱に姿を変え 時々青く、緑に輝いた そうして湯が沸けば 熱いのゆるいのと 五右衛門風呂を跨いだ 湯はご馳走だったころの とおい昔の まだ心に残る その榾火の 温とさ よ

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くちどけ

小春日に 小首をかしげて 咲く花に くちどけやさし 時のひかりが 満ちてくる  

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うつわ

うつわ 大切なものを 守って 育てて 笑う ばしょ

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ひとつ

ひとつ おわり ひとつ はじまり ひとつは 最初の 終わりの 最初 いつも けりだす 脚がある

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夜城

夜にあり 夜を思う 起点となる 城のあれば 天に地に 帰る場所 定まりて 夜にあり 我を思う 人を思う

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おと

かさこそと 聞こえてきた 足音も 秋が遠く なりすぎて 廊下の端を 曲がってからしか 聞こえなくなった いっそう耳を澄ませて 足音の気配を追う

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惹 vs 怠

若い心は靡きやすく それを 惹かれると書く 右に左に靡きながら 腑に落ちるものを 探す旅を指す 疲れた心は見晴らしを求め それを 怠けると書く 高見から眺める台があるから 動かずして 全てがわかった気になる そのことを言う

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ログアウト

それを欲し それに満たされ それに酔い それを愛で それに癒やされ それに疲れる あれほど欲しかったものの 記憶が終わる   ※ 暮れの廃品達のまだ物語を紡がせようとする    捨てきれない何かが宿っていっそうもの悲しい物たちの物語

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煌めきは 何時だって 一斉に やってくる だれかと だれかと なにかと なにか であって ぶつかり合って 煌めいて 煌めきに誘われて 人が集う  その最初の雫を 見いだせたら  風を切って 走る時     

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分水嶺

分かつことの 分かちがたきが故 分かつ なべて 天土のあいだ 渾然一体 ※ 写真と文章がちぐはぐでございます・・  

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てがみ

おそらに おてがみ しました ながいあいだね ありがとう とかきました 長い間ねありがとうと 太陽は西に沈み 長い愛だねありがとうと 月が東に昇りました  

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