ことり
クローバーの 若葉は 背伸びに いそがし ふわんふわん 小鳥がチチと 飛び上がる チチとあと追う 小鳥と二羽で なかよく 二羽で ふわんふわん そらの蒼に とけていく
View Articleかくれんぼ
ふわふわにのびた 若草のなかで かくれんぼ あんまり じょうずに かくれたから 見つけてもらえず 目があかくなった ここにいるんですけど ここにいるの さいしょは小声で だんだん大きな声で さいごに泣き声になったら 知ってるよって わたしをぎゅっと抱きしめた いたずら鬼さん 鼻を垂らして た 泣き出すまで 待っていたの?
View Article目に若葉
目に若葉 山ホトトギス 初がつお なにもかもが 新鮮で 美しく 心を捕らえる 季節が きました 食べることも 見ることも 嗅ぐことも 聴くことも 触れることも ビギナーズの 心地で 楽しまなくっちゃ 目に若葉 山早蕨に サクランボ
View Article優しい光
花曇り それはもう 終わったしまった季節の言葉 それでも 白い花が 曇り空に 咲くと 優しく 輝いて見えるのは 花曇り という 言葉の マジックのように 思えてしまう 白い花は 優しい光が よく 似合う
View Article素敵にステップアップ
咲きなさいと言われたから 咲くんじゃない 咲くと決めたから 咲くんだと 素直に 思えたとき 素敵にステップアップ できる気がする いつでも咲いているのに 気がつかない そんな花もあるね その花の美しさに 気がついたとき 素敵にステップアップ それは わたしの 青い鳥
View Articleパターン
同じように繰り返しているようで 少しずつ違っている 少しずつ違っているようで 同じような繰り返し パターン 人が幾何学模様を好むのは きっとそれが 人の成長に似ているから 飽くことなく織り続ける 私のパターン 俯瞰してみて 私の模様は そこにあるか
View Article理屈
ちいさな 一歩で 景色が かわった 勇気とか 希望とか 未来とか という 理屈 は なかった ただ 一歩 踏み出した だけ それだけで よかった 理屈は いらな かった
View Article断片
思い出せない 滲んでいるわけではなく 鮮明な 断片で 心まで 震える 記憶だ が 思い出せない その先を 思い出したら きっと 堪えられないから 思い出せない カラスノエンドウが ヒゲを伸ばし 絡みつく 何かに 寄っていたいと 自らに 絡むことがある それは 呪縛の 断片で 痛かった 記憶の 蓋になる
View Article旬
言葉にも 旬があって あんなに嬉々として語られた流行語も いつしか死語となっている 死なない言葉は あるのだろうか 梨の花の 最後の一花が 落ちた午後 空の青さに 目をやられながら 死なない言葉というフレーズを 繰り返していた
View Article君が背
君が背の 小さく成り行く 午後なれば ためいきひとつ ポケットに入れ なみだのひとつ カバンに入れて 我が背を 小さく伸ばす 午後のひかり あふるるなか ※ Aの御尊父ご葬儀に際し
View Article我風展
第一回 我風展 5月14日から19日まで 松本市美術館ギャラリーAで行います。 松本および、その周辺の写真家が集まって開く 準個展形式の8人展です。 やがては若手の育成を含めた 公募展を目指しています。 との内容、 昨日の「市民タイムス」にでておりました。 と、 ご近所さんが教えてくれました。 「また えらいことを 始めましたねぇ」 スパーに行くと、 「また 忙しくなること はじめたねえ」...
View Article蒲公英
蒲公英は 春と夏の境を 知らす その綿毛の 輪になって契った魂は 風が吹けば再び逢うこともなかろう 広い世界に飛び立っていく 太陽は白くてまぶしい すべてが充ち満ちているかの様でありながら 心はどこか渇いていて その一杯の水が 欲しい 蒲公英は 大地をどこにでも咲いていて 太陽のふりをしている 誰かの心に温もりを点そうとして 背を伸ばすのだが 多くの人間たちに その他多くの雑草と扱われる...
View Articleお昼ご飯
お昼ご飯は 外ベンチ 深呼吸したら 身体の隅々まで 五月の風 目を閉じれば 右に揺れる風に スズランが 左に揺れる風に ケヤキの芽吹きの 香りがする お昼ご飯は 外ベンチ 風と一緒に 揺れてみる
View Article鶯
ずいぶん 歌が上手くなった鶯に ホーホケキョと 口笛を吹く 鶯は ホーホケキョと もっと上手に啼く そのうち もう飽きたわと 鶯の 山桜の枝を発てば はらりと落ちる 桜色 春が深く 深く 青く なる
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