$ 0 0 川端康成はそこをハッピーバレーと書き 堀辰雄は死の谷と書いた 森の道を行く キツツキがドラミングしている シジュウカラが小枝を渡る 誰もいない 石畳の道 人生のステージの吉凶に 景色は違って見える のだろうか 佇むほどに 森は大きく 去来する過去も未来も 木洩れ日となって 砕け広がり 眩しくも 一人