一人ぼっちは
嫌だったから
影絵の自分に
見いっていた
少し背中が
曲がったな
一人ぼっちは
淋しいからと
ゆらゆら風と
たわむれた
アスファルトの
熱気が溶けだして
悲しい涙を
乾かしていく
※
あんた
ちょっと
もらっていくよ
あ 私の主のおばあさん
ちょっと葉先をつねっていった
痛かった
ああ ありがとよ
お礼のお水だよ
如雨露で注がれた水は
鉢から溢れだした
それにしても暑いねぇ
あんたも頑張りや
あたしも あんたのために 長生きするからさ
一人ぼっちじゃなかったのに
なに泣いていたんだろう
明日はもう少しだけ背を伸ばして
やさしく笑いましょう
※ 植木のために長生きするんだという近所のおばあさんの言葉から