$ 0 0 昨日まで隣の席だった転校生は 鼻を垂らしながら 今朝は朝礼台の上にいた おら 転校するだ いままで あんがと 舌っ足らずだけど どこか野太い声で 挨拶をした 風の又三郎だな 良子が背中を突っつきながら 耳元で言った 剣玉をして 木登りをした 勉強はからっきしダメで 体操は満点だった 風は通り過ぎる ざわざわと記憶を揺らす あんまり深く大きく揺れたから 忘れられなくなっちゃいそうだ 12月の風がふく