クレープ
くるくる巻きの 小さな宇宙 クレープの カスタード味や チョコバナナが 踊って 花柄になって 口の中 ああ 春が来たんだと 少女は笑い きゅうに はにかんで 口元を押さえる
View Articleフォンタナの夕焼け
フォンタナは 真白いカンバスを 切り裂き 丸をあけ アートに その足跡を残した カンバスという平面が 切り裂かれることで 陰影を帯び 立体になる そして人は 切り裂かれた 影の中に 何かを探し 白の中に 何かを探す 芸術とは その底に 人間の根源があるものなんだよ フォンタナは言う フォンタナの夕焼け 時が刻み込んだ何かが 語りかけてくる 過ごした時の分だけ その言葉は重く その言葉は優しく...
View Article榧(かや)
この冬の間中 包帯を巻かれて 工事現場に 抜き取られた 榧の木は 立てかけられていた 枯れた様子もなく その葉は とげとげして 痛かった あれは 春を待っている 地中に 根を下ろさせてほしいと 待っている 工事は終わらない というのに 黄砂が飛ぶ 春が来てしまった
View Article言葉足らず と 蛇足
今日も躓いたなあと思う 言葉が足らなかったり 言葉が過ぎたり ちょうどいいが なかなか見つからない 訂正する 意思があれば いくらばかりかは 良くなるのだろうが なんというか 決定的な汚点というか そういうもの は あるのだろうな ことばって どこまでいっても むずかしいな
View Article点と点 つながる一歩
点と点が 結び合って 線になるように 点と点が 出会って 丸になりますように 淡い光を 捕まえて わたしも あなたも ほしいもの 一緒に探せると うれしいな つたえることは つながること 最初の一歩は とても 大切な一歩 です 私と 私の仲間の 自己紹介ですもの
View Articleひかりのうみに
春の光は 波打って くる 春の光は 目覚めを 運び 目覚めた 者たちは 輝く ひかりのうみに ひかりのうみへ もっと高く もっと遠く もっと輝く 春が春を 連れてくる
View Article風
風を感じる かなたから かなたへ 流れていく 時間を 感じることと 似ている 予想さえ しなかったこと 風も 時も 運んでくる そのことに 素直に なれたら 私の 心に 春の風
View Articleある晴れた午後に
ある晴れた午後に 岬に立って 海を見る 遠く 水平線が 空と交わる あたり に 船が来たら わたしは 遠い 異国の 人となる ある晴れた午後に 岬に立って 海を見る ※ なぜかマリア・カラスの蝶々夫人が頭の中をグルグル・・な午後でした マリア・カラスの蝶々夫人は好きじゃないのにね。
View Articleモニター
モニターに並べた画像を 写真に撮った 七色の街に なった こんな町に 住んでみたい な でもきっと 落ち着かなくなって モノトーンの 家具を そろえるのかもしれない
View ArticleSalon
So many people laugh in a Garden. Logical thinking, often Not wrong. でもね 理屈だけじゃあ 世の中動かない 論理的思考の弁は 時に現実回避の手段になる 論理はあい分かった 間違ってはいない じゃあ 今あるパイで なにができる そのことを 話そうじゃないか
View Article楕円軌道
馬鹿たれの空が うつむいて 寒が戻る 蜘蛛の巣の円陣が 震える 泣くな 世界は 楕円軌道に にじむ パンスターズ彗星は ペガサスに飛ぶ 泪をぬぐい 目を凝らしたまえ 世界の軌道を 捕まえたまえ
View Article未来地図
太陽がまぶしくて 南の窓からの光景は影絵になり 太陽がまぶしくて 北の窓からの光景はキラキラしている 南天は太陽の王座 まぶしくて 目を開けていられない あふれる光 あふれる温もり 太陽がまぶしくて おもわず目を閉じる まなこの世界は朱 ゆくべき未来の 地図が浮かべている 光の中へ ひかりの中へ ひかりのなかへ 歩け
View ArticleCROW
英語でカラスは CROW CROWには カラスって意味もあるけれど 雄鳥の鳴き声であったり 時を告げるって意味もある 赤子の喜ぶ声でもある 白いカラスは神さまの使者で あったりする ※ 最近の日本のカラスは 駆除の対象 そのちょっとむかしは 裕福の誉れであり 墓所の供物を食べることから 神の使いでもあったけれど 今のカラスは苦労(CROW)が多い
View Articleカシューナッツ
少し塩っぱかったのは 泣いたせいね あとから来る 芳醇な香りは 笑ったせいね カシューナッツ を食べると いろいろが いろいろに 味わえて ほんのり 優しい気持ちになる
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