シンメトリー
祈りは希望の写し鏡 願いは明日の写し鏡 この一年もご愛顧賜りましたこと厚く御礼申し上げます。 くる年が皆様にとって豊かで笑みがあふれる年となりますように お祈り申し上げます。
View Article初夢
帰省先の北陸 丑の刻に激しい雷鳴 けっきょく初夢は見ず終い 帰宅し今日は初仕事 早朝の車中 富士を仰ぎ 昼に鷹を見 夕になすびを見 初夢の現実バージョン? 秘せば美しい夢物語もあるというのに ……嗚呼
View Article母恋い
石畳は黄昏の蒼を残したまま 母の名を呼ぶ 母が恋しい異郷の鍋の この町に凍みつき どうしようもなく異郷の香り 母たちの香り ※ ちなみにどうでも良いのですが 恋とは上代にあっては、時間的、空間的、心理的に離れてしまった対象に思いが残り、それに心ひかれて嘆き悲しむ意と・・ 大辞泉
View Articleヒタヒタ
凪ぎながらも ヒタヒタと音を立て 潮は満ちようとする 新月の浜の その内側の 不可分な形を なぞるように アールを描き 太陽の彼方の 宇宙をひたす 満ち足りた潮は ひたヒタひたヒタ 今日とは違った 旦(あした)を連れに 海に帰る
View Article牡蠣
北風が強い日 半島の内海は凪ぎ 雪原のように穏やかだ 干満の緩やかな波に揺られて 牡蠣は育ち 脂がのってくる 水鳥たちが その養殖網の柵の上で 牡蠣の番をしながら 羽を休め もう北へ変える日を 数え出す
View Articleメモリー
ある種の不自由と ある種の自由が 記憶の縁を廻って おぼろになる 日が暮れれば プレアデスの七姉妹が もう天上高く上がっている あれが山際に隠れて見えなくなるころ 大地に春が訪れ ある種の不自由と ある種の自由と 記憶の縁に緑が映えて おぼろになる
View Article孤月
弓を張った月が丸くなり 今日の月齢は14.7 うっすら根雪が残るこの町を照らし 月の周りの冬の星座を蒼く照らし どこまでも蒼い影が 景色に滲みながら伸びている 水盤の水も凍って 丸いままの月を表さず どこまでも 孤月 明日は冬の土用 紅を求める日 萌えるような春色の紅を 求めてみよう
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