お伽話
夜が厚着をしてやってきた 寒くってね ガタガタ震えて門戸の前 さっさ お入りなさい 温かい飲み物を召し上がれ 夜は上着を一枚脱いだ 暖かくなる話を聞きなされ 夜はまた一枚上着を脱いだ もう一つ 暖かい話をしましょう 夜はいつしか船をこぎ出した さっさ もう一つ 寂しがり屋の夜さんよ さっさ 朝が来るまで お伽話
View Article赤いサラファン
松本には「ぼんぼん」という伝統的なお祭りがあります。 「ぼんぼんとてもきょうあすかぎり あさってはおよめのしおればな」 という歌をうたい子どもたちが町内を歩きます。 姑の目が光っているという二番があります・・・(汗) 淋しい覚悟の歌です。(淋しすぎますね) ロシア民謡の赤いサラファンも やっぱり嫁入り前の娘の自由を謳歌したい気持ちを 歌ったものです。 でも、最後にお母さんが言うのですね。...
View Articleすきま
与えられた場所に 根を下ろす 生きると決めた いろんな一生があるねと 人は言うけど ぼくは ぼくの一生を 咲いて 結んだ 一生に すきまは ない すきまにでも いき果せた 一生はある
View Articleのこり モミジ
日当たりのよい一等地の葉は 散り落ちて久しくなったのに 日陰の葉の紅葉は ほんに見頃 のこりモミジの 輝くときを知り 捨てたものじゃない 喜びを運んでくる その一葉のいのちの 一等地の葉と違う 指になじむ やわらかい 肌触り 本 に 錦
View Article晴山千代子さんの展示
信州大学付属病院の写真展「人」の展示もあとわずかとなりました。 29日に撤収予定です。 まだの人は 是非、ご覧くださいませ。 私たちの展示の後には 木の実のリース作家である 「晴山千代子」さんが クリスマスまでの間、 「木の実のアート」を展示をされます。 信州で集めた木の実だけでなく、 本日は大阪まで行って南京ハゼを集めてきたとのこと。 美しいものがあれば 遠い、近いを問わず集めに行く。...
View Articleここも そこも どこかのここで
松本市丸の内二丁目にあった 山崎歯科医院は 明治21年に建てられた煉瓦造りの建物で 平成8年には国登録有形文化財に登録されました。 今は隣の土地で開院されています。 ただ、残念なことに耐震性の問題があり 昨年6月の震度5の地震で損壊 この8月取り壊されました。 その山崎医院で使われていた煉瓦は 未だに1200個が保存されていてます。...
View Article今日は冷たい雨が降っている
自分の二の腕だけに掛かっている たいせつな何か 腕尽くで 未来は切り開けないかもしれないけれど 暖簾に腕押しでは あまりに切ない 物事を 推し進めていくには 飽きない 心が必要だ どんな状況になっても 二の腕に掛かっている それを思い続けられる かたちにし続けられる そういうのを プロフェッショナルというのだろう 今日は冷たい雨が降っている ミゾレに変わるかもしれない 細腕をなでてやる
View Articleその先へ
どこまでも いく その約束 に い え す わたしは わたしのなかにいる わたしの こあくまと 契約した い え す いたずら顔の 明日よ 来い その先へ い え す
View Article今から
今から 信州大学付属病院での展示搬出用画材を買いに行きます 長いようで短く 短いようで長い 展示期間が終わろうとしています いってきます! 終わってしまうのは淋しいけど それ以上に嬉しい たくさんの素敵を もらった 展示でした あと二日・・・ それにしても 外はさむい・・・
View Article渦巻く思い
そんなものは By Mail 何でもとどく 螺旋階段を 上り詰めたところが 太陽の当たるところだ By Mail だれのために なんのために あなたは それを書いたのか 増幅していく 虚構に 目を覆いたくなるけれど 同時に 芽生える 私の心の 渦巻く思い
View Article今日搬出
信州大学付属病院 写真展「人」 今日搬出です たくさんの 夢がギフトパックになって 降りてきました ただいま! 病院に展示していた 作品たちが 我が家の玄関を再び くぐる日がやってきました
View Article撤収!
というわけで この御御足の三人で 信州大学付属病院での展示を撤収してきました。 撤収のあとは 殿方お二人に頼んでしまいました。 壁紙を掃除してください・・・と。 で、本当にきれいにお掃除してくださったのです。 こういう心意気が最高です! 撤収作業が全て完了した時点で ようよう打ち上げの珈琲 で、カメラを向けると顔を背ける殿方二人・・・ 意外にシャイな様子です...
View Article詩と私と
その葉書には50円切手が貼ってありました なんとなく爪の先で切手の縁を押し上げてみると 切手がスルスルと落ちてきました 消印はありましたが 無傷と言っていいほど 美しく剥がれたのです その切手を掌に載せて ずっと眺めていました 切手は一回だけしか旅ができないんだ という言葉が浮かびました 「おじいちゃんと切手たち」 という詩物語の原型ができました 四ヶ月間 撮影をしたり 詩を練ったりしました ※...
View Article凪がぬ海
凪いだ海を見た気がした 朝凪だった わずかにピンクがかった 光が斜めに射していて 水面はほのかに毛羽立っている 今朝は冷えたから 霧が立とうとしているのだ 小鳥はまだ夢の中 早起きのカモが首を伸ばしはじめ 辺りをうかがっている 今日は何処に飛んでみようか 西の入り江か 北の湾か 眼を反転させて 思いを巡らし始める トンネルを抜けると 辺りの景色は 荒れた海になった ローレライの歌が 鋭い風になって...
View Articleふるさと
実家の 大ケヤキは この時期 時雨と 北からの風に ごうごうと唸る 獣の 鳴き声のように 深く 胸をえぐるような 音だ 寝付けない夜は 風雪に折れる枝音まで響き 布団から 飛び起きたこともある そのくせ 元気な日には ごうごうという音が 子守歌に聞こえてくる 鈍色の空が 紫色に稲光り 枕元を照らし 目をやられた私は 閃光の後の 闇に 眼を埋めるのである 泥のように 眠りたまえ 泥のように 明日...
View Article